
ようやく梅雨が終わって、六甲山のベストシーズン、夏がやってきた。昼間は26℃、朝晩は20〜23℃ととても快適である。窓を開けていると、ほどよい涼風が心地よい。
7月末に今年最初の台風が日本付近を通過したが、たいした事はなくて良かった。去年の夏は大型の台風が何度も神戸を通り、我が家の壊れかけのデッキが半分飛んで行って無くなった。六甲山のあちこちで、大きな木が倒れたり、折れて飛んだ枝が道に散乱し、家の一部が壊れたりと、台風の翌日はチェーンソーの音が山に響き渡っていた。
台風一過の今朝は、きれいな青空が広がり、いつにも増して空気が清々しく、気温を見てみると18℃だった。台風に空気中のホコリやチリが吹き飛ばされるのか、台風の後は空気が澄んで、大阪湾の対岸の建物までがくっきりと見える。今夜も美しい夜景が見られそうだ。
夏の到来とともに、「ヒグラシ」の大合唱が始まった。なぜかアブラゼミの声はまったく聞かれない。ヒグラシも2、3匹なら夏の終わりの夕暮れのようで風情があるが、数百匹か数千匹(おおげさ?)が一斉に鳴くと、かなりうるさいものである。なぜか朝5時頃から大合唱が始まり、寝ていられないほどだ。主人は根性で寝続けているが、私はガマン出来ずに起きてしまう。もともと5時、5時半には起きるのでさほど変わりはないのだが。奇妙なのはその大合唱が20〜30分しか続かないことだ。急にピタリと大合唱が止み、数匹だけが静かに鳴き続ける。セミとは不思議な生き物だ。
そろそろ紫陽花のシーズンが終わりに近づき、紫の「房藤空木」(ふさふじうつぎ)が山のそこここで見られるようになった。この花は、ブッドレアやバタフライブッシュとも呼ばれ、蝶々が好む花木として有名だ。もともと六甲山に生えていたのか、それとも誰かが持ち込んだのかは分からないが、山のどこにでも生えていて、様々な蝶々が周りを飛ぶのが見られ、楽しい花木である。
昨年秋と早春に刈り込んだミヤコザサ(六甲笹とも呼ばれる)やススキ、雑草、野草が、梅雨の間に生い茂り、庭の小道が見えないほどになって来た。春には庭に色々な花やハーブをと夢を膨らませていたが、山野草と雑草のパワーにはまったく太刀打ちできなかった。もとより暇もなかったのだが。植えた花はことごとく姿を消してしまって、山吹、萩など、もともと山野草の園芸種だけが生き残っている。はびこる雑草には目をつぶり、夏の間にしておく仕事に集中しなくては。冬に向けて、薪ストーブ用の薪を切って夏の間によく乾かしておかねばならない。そのほかにも外壁のコーキングと塗装など、数えだすと切りがないのはいつものことである。
夏に入って、週に1度以上は、ベランダに置いたウェーバーのバーベキューグリルで、肉や野菜を炭火で焼いたものが夕食になっている。炭火で焼くと何でも香ばしく美味しく頂けるし、焼いている間、夕涼みをしながらベランダで飲むビールや、よく冷えた白ワインがまた旨い。ベランダと部屋の境の網戸の前で犬達がヨダレを垂らしているのもご愛嬌である。
というわけで、友人の皆様、夏の山の涼風と炭火グリル、ご予約はお早めに…